投稿者「shin」のアーカイブ

2022年8月:「古白川 真」



微力ながらプロボノとして応援させて頂いている地雷博物館と地雷撤去団体CSHDですが、今回ほど気持ちが重く、筆が進まない事はありませんでした。

今年の頭、CSHDの地雷撤去隊員3名が作業中の対戦車用地雷暴発で亡くなりました。

もう1人は重症。

私が初めて地雷撤去作業に同行させて頂いた時から、チームの中で1番仲良くしてくれていたメンバー達でした。

中にはまだ幼い子供を持つ隊員もいます。
小さい子供はまだ状況を理解していません。

去年交通事故で亡くなった弊社スタッフの件もあり、やや人の死に対して慣れてしまった中でも、小さい子供の事を考えると胸が張り裂けそうになります。

自分の命を犠牲にして数えきれない人を救った彼らに心からの敬意を評します。

現地のSNSでは色々な情報が出ていましたが、1点彼らの名誉の為に。

今まで十数年間無事故、地雷撤去のエキスパート中のエキスパートでした。

それでも事故は起こる。それでも100%事故を避けることはできない。

「地雷や不発弾は人を殺す」

最も辛い方法で改めてそれを認識することになりました。

重症の隊員ポーイは子供の頃地雷で片手片目を失いそれでも尚地雷撤去の仕事をしている。

私達が机上の空論で語る理屈とは比べ物にならない世界で彼らは動いてる。


これからも出来る限りの支援をしていくつもりです。

 

彼らに仕事がない時は一緒に山に行ったり、川で泳いだり、音楽をかけて踊ったり。

何でもない楽しかった時間を思い出して、やりきれない気持ちになります。


アキラはCNN HEROになり世界的に有名になりましたが、英雄は彼だけではありません。
自分以外の誰かのために文字通り命を賭けて活動し、そして亡くなりました。

居なくなって初めて人はその偉大さを知る。
何度考えてもやりきれない。

Simet, Chok, Vongに心から追悼の意と最大限の敬意を。

2022, 09, 01
古白川 真

中村 雄一

中村雄一1978年生 千葉県出身。

通信制高校教諭を経て独立。教育のプロとして多くの生徒の夢を応援する。

Wikipedia参照

https://ja.wikipedia.org/wiki/中村雄一_(なかよし学園)

 

2007年にいじめ・不登校問題に悩む生徒の駆け込み寺としてなかよし学園を立ち上げる。2011年の東日本大震災を千葉で経験し、2ヶ月後に現地入りしボランティア活動を行う。その際自分の授業が誰かのために活かされることを痛感しカンボジアでの活動を始める。アキラとは現地で活動する中で出会い、彼の設立した学校で授業を行いながら活動をサポートしている。

 

「現地で授業を行いながら教育支援をする」というスタイルで多くの国、学校、孤児院で授業を行い、日本からも多くの人材を現地へ連れていって授業をさせている。現在の活動国はカンボジア、ネパール、ルワンダ、コンゴ民主共和国、ウガンダ。2019年にNPO法人化。

 

なかよし学園プロジェクト

http://www.nakayoshigakuen.net/npo/index.html

 

 

2020年9月:「古白川 真」

こんにちは。ご無沙汰しております。
FORKS FOR FOLKSAndkow & Co.(Shippos Co., Ltd.)代表の古白川(コシラカワ)と申します。

現在世界中で猛威を振るう新型コロナウィルスことcovid-19ですが、カンボジアも例外ではなく、死者や感染者こそ少ないものの経済的なダメージが甚大な影響を及ぼしています。

特に観光業のダメージは計り知れません。
街中にFOR RENT(空き物件)の看板が溢れかえり、その数は日に日に増えています。

国民人口そのものも少なく、中間所得層も近隣諸国に比べて少ないため内需に乏しいカンボジア。

入国が制限されてからというもの、世界中からの観光客が途絶え、旅行会社やホテルなどの宿泊施設、飲食店やお土産店、マッサージ店など、外貨獲得の要である観光業の多くが壊滅状態となり、倒産に追い込まれています。

観光客の消えた街一番の繁華街パブストリート

これに関しては地雷博物館も例外ではありません。

先日久しぶりにアキラ氏と連絡を取り、今現在何が必要か?という話をしました。

私が行なっているプロジェクトFORKS FOR FOLKSから、来年はアキラ氏の所属する地雷撤去団体CSHDが仕事の際に使用するユニフォーム代の寄付を検討しており、その旨をアキラ氏に相談したところ、現在は観光客がいないため地雷博物館が運営の危機に立たされている、CSHDよりも地雷博物館に寄付をして欲しい、とのことでした。

私のプロジェクトからも各関係者と相談の上、時期を見て地雷博物館への寄付をさせて頂こうと考えています。

もしこちらをご覧のみなさまも、アキラ氏および地雷博物館、それに関わる方達にご協力頂ければ幸いです。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

2019年5月:「古白川 真」

こんにちは。
呼びかけ人の古白川(コシラカワ)と申します。

今日、日本は平成が終わりを告げ、新しい時代「令和」が訪れました。

カンボジアはクメール正月が終わり、年越しムードから通常の生活を取り戻しつつあります。

シェムリアップの水かけ祭りの様子です

この時期東南アジアは1年間を通してもっとも暑い時期となり、歩いているだけでやけどをしてしまいそうな程の灼熱の毎日が続いています。

そんな中でもCSHDの彼らは毎日の様に地雷撤去やそのための知識を得る座学に励んでいます。
私はそんな彼らに心の底から敬意を抱いています。

先日、救護班のNarathさんから、年齢と体力の面からCSHDを勇退されたとテレビ電話がありました。
私が初めて地雷原に行った時、何処の馬の骨かわからない様な私にも一番優しく接してくれた方で、色々な記憶が蘇り、感慨深いものがありました。
退職後はどうするんですか?と聞くと、今まで十分頑張って働いたし、僕はもう歳だからゆっくりしたいなとおっしゃっていました。

このまま、事故も起きず、誰も死なず、誰も怪我をせず、彼らが安心して生活できるような国になって欲しいと切に願います。

(右から)Narathさん、若いリーダーReaksa、私

気持ちや考えばかりが先走り、なかなか彼らの力にはなれていませんが、もっともっと彼らの存在をたくさんの人が知り、応援してくれる人が増え、地雷で亡くなったり怪我をしたりする人が一刻も早くいなくなりますように。

古白川 真

Shin Koshirakawa

1984年 兵庫県神戸市生まれ。

テレビCMの音楽制作など長年携わった音楽業界から離れ、
世界各国を旅した際に出会ったカンボジアの文化に魅せられシェムリアップへ移住。

「新しいクメールヴィンテージを作る」をミッションに
ものづくりの会社shippos co., ltd.を立ち上げる。

命を賭けて地雷撤去を行うAKIRA氏の活動に感銘を受け、
想像・発想の力で社会的課題の緩和・解決を目指すMINE IS YOURSを立ち上げ、

「銃器を什器に、武器を食器に」をスローガンに、
地雷・不発弾・空薬莢をフォークやスプーンに産まれ変わらせ、
フォーク1本の収益を隊員の1食分に変えるなど、
「ものづくり」や「食」で地雷問題を啓蒙・支援するプロジェクト
FORKS FOR FORKSを始動させ、地雷問題に対して独自のスタンスで取り組みを行っている。

2018年4月:「古白川 真」

初めまして。
古白川 真(こしらかわ しん)と申します。

現在はカンボジアのシェムリアップで、ものづくりの会社を営む傍ら、
「MINE IS YOURS」というプロジェクトを立ち上げ、
地雷問題を啓蒙する「FORKS FOR FOLKS」という活動を行っています。

アキラ氏と親しくなったきっかけは、
音楽好きであるアキラ氏から、日本人応援団の川広氏を通じて
「息子のアマタに音楽を教えてくれないか?」
と要請を受けたことがきっかけだったと記憶しています。

もちろんそれ以前からアキラ氏の存在は知っていましたが、
親しくなっていく中で、彼らに何かできないかという気持ちがより高まり、
地雷問題に対峙するプロジェクトを立ち上げることになりました。

今回はその事について少し書かせて頂きたいと思います。

●●●【動機】●●●
初めてカンボジアに来た時、自分の命を賭けて地雷撤去をする人たちの存在を知り、
心の芯から動く何かがありました。

人生で初めて損得抜きに「この人たちの為に何かしたい」と思った男たちは、
シーズン中毎日地雷原に行き、爆弾を撤去しています。

それはまるで、私たちが会社や学校に通うのと同じように。

ひとつだけ違うのは「命をかけている」ということ。

もし、顔も名前も知らない人たちなら
「世界のどこかの誰か」
で終わってたかもしれません。

でも、自分の仲間や親友やその家族の手足が吹き飛んだり、死んでしまったら。

知り合ってしまった以上、私にとって彼らの存在は
もう「世界のどこかの誰か」ではなくなってしまいました。

自分の中の「尊敬」の定義の一つは「自分が到底できないことをやってのける人」で、
彼らの存在はまさにその最たるものでした。

彼らの中には結婚して子供がいる者もおり、女性もいます。

50℃近くになる灼熱の大地の中で、10kg以上もする防具やヘルメットをつけ、
ひとつ間違えば手足頭が吹っ飛ぶ中、1日に何時間も集中を切らすことなく爆弾を撤去をする。

それをほぼ毎日、何ヶ月も行うんです。

地雷原に同行し撤去作業を何度も間近で見せて頂き、
芽生えた正直な気持ちは、

「俺もこれをやりたい」

でした。

稚拙な考えなのは重々承知の上ですが、それは思考よりも衝動的なものでした。

彼らに撤去の方法を教えて貰えないか真剣に提案したこともありましたが、
昔と違い、厳しい国際法の中で普通の外国人は撤去どころか爆弾に触れることすらできません。

「自分は関わることすら許されない」

そこに強い劣等感も覚えました。

色々と考えを巡らせた結果、
自分なりの方法で彼らを支援するため、

「FORKS FOR FOLKS」

というプロジェクトを立ち上げました。

詳しい活動内容はここでは割愛しますが、
一言でいうと、武器としての象徴である薬莢をフォークに変え、
その収益を彼らの地雷原での食事代に充てるという
「銃器を什器に、武器を食器に」という活動です。

この活動を通じて、少しでも彼らの力になりたいと思っています。

命を賭けて家族の為カンボジアの為に働く彼らの事を、私は心から尊敬しています。

きっかけは何でもいいと思っています。

私の場合は得意分野であるものづくりで彼らに寄与したいと思い、行動を起こしましたが、

毎日の生活に命を張っている人間がいる。

彼らに思いを馳せる。

そんな時間を1日の中で少しでも作る。

それでいいと思うんです。

そして、できる事なら、できる時に、何かの形で行動を起こす。
彼らの力になる。

日本人応援団をはじめとする私達の活動が、少しでもそのように感じて頂けるきっかけを作ることができれば、これに勝るものはございません。

アキラ氏及びCSHDへの応援、ご支援の程、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

アキラ日本人応援団:
http://www.akira-landminefree.org/support/

Cambodian Self Help Dimining | donate:
http://www.cambodianselfhelpdemining.org/donate/

武器だった薬莢から作った食器。 1本の収益が彼らの食事代1食分に変わります。