カンボジアのバッタンバンと言うタイとの国境に近い州の児童養護施設
「Hope Of Children(HOC)」で、自立支援をしております岩田亮子と申します。
「HOC」は、カンボジアの僧侶が運営するローカルNGOです。
施設自体の「支援を必要としなくなる支援」と、子ども達が自分の力で生活できるようその自立を目指し活動をしております。
今年で十三年目を迎えました。
自立には教育も重要と、学校では教えない大切なことを「HOC」では少しずつ教えながら、学校の授業を補完して参りました。
その一環で10年ほど前にアキ•ラー氏に「HOC」に来て頂き、子どもたちにその半生を話して頂きました。
カンボジアの子ども達でありながら、カンボジアの歴史を本当の意味で教わっていません。
戦後育ちの子ども達、戦火の中で育った親からも聞いたことが無かったようなラー氏の話に、ポカーンと口を開けて聞き入っていました。
大切な生きた授業をして頂きました。
その後、子どもたちを連れて初めて地雷博物館へ行き、子どもたちとも交流をさせて頂きました。
これこそ心を育てる教育だと思います。
しかし、このコロナ禍で子ども達の休校が通算一年近く続き、名ばかりのオンライン授業はやっていましたが、格差の中で物理的に授業を受けられないものは放置され、貧乏人は教育の機会も与えられない、友達にも会えない状況、この国は子ども達を本当に育てようとしているのかなと子ども達の未来を思うとやるせない気持ちになりました。
カンボジアには、教育者も知識人も失い教育が完全に寸断された時期があります。
その後に生まれた子ども達は、その負の遺産だけを背負い教育者が育つ前に自分が育ってしまい、社会に放り出されて生きているような状態です。
戦後の日本とは全く違う環境での戦後復興だったと言うことも踏まえ、その戦後育ちが今のカンボジアを支える大切な人財であることも考え、カンボジアだからこその教育に光を当てなければならないと思っています。
子ども達の夢の選択肢を増やし、その夢を育むような教育の場を創りたいと思っております。
是非またアキ・ラー氏には講師として子ども達をご指導頂きたいですし、皆様にはお知恵や知識、技術を授けて頂き、カンボジアの未来を担う若者を一緒に育てて頂けたらと夢想しております。
戦わず、共に支え合い、育て合う社会、アキ・ラー氏もそんな社会を目指していらっしゃるのではないかと思い、応援させて頂いています。
宜しくお願い致します。