2017年4月:「田中千草」

私が日々関わっている子どもたちや保護者の中には,地雷や不発弾の被害に遭い,体の一部を失っていたり,体が思うように

動かなかったりする人が何人もいます。

その一方で,現在,シェムリアップ市内では,戦争・紛争時のことも,地雷のことも全く知らない現地の人が増えています。

若い世代の保護者や教員,子どもたちは,自分の国が抱えている重大な問題を知らずに暮らしているのが実態と言えます。

2007年にシェムリアップで暮らし始めてから,私は何度もアキラさんの地雷博物館を訪れました。私が訪れるときは大抵現地

の人と一緒だったので,アキラさんやアキラさんの義理のお兄さんのお話を直接聞く機会を頂いていました。その貴重なお話

を,外国人よりも,まず現地の子どもたちに伝えてほしいと願い,川広さんのお力添えによって,今は,毎年子どもたちが地

雷博物館を訪れ,学ぶ機会を提供して頂いています。戦争時代を生き抜いてきた,年配の保護者たちや先生方の体験談を子ど

もたちに聞かせるという取り組みも並行して行っていますが,アキラさんが行っていることの意義を,これからの世代に繋げ

ていけたらと願います。また,日本であっても,カンボジアであっても,自分の国の歴史や事実を知ることが,自分たちの未

来を作っていくことだということ,これからもみんなと一緒に考えていきたいと思います。

私には,アキラさんの活動の物理的な意味での応援は難しいのですが,子どもたちが事実を知り,自分たちで考えて

国民が自立してくことを応援するものとして,今後もアキラさんや川広さんたちと活動を深めていきたいと思っています。

アキラ地雷博物館×日本人応援団の団員にご登録ください。