2014年8月:「鬼一二三」

 

地雷処理団体は幾つか有るようですが、自分で地雷を設置していた人が直接指導して地雷除去を行っている団体は殆どないのではないでしょうか。

ナイフ一丁で完全に安全な土地にしてしまうアキラ君の様な人間は殆どいないのではないでしょうか。

地雷博物館を始めた頃、アキラ君は見学に訪れた私にこう言いました。

「これは対人地雷です。仕掛ける時は片足が飛ぶ程度の火薬を入れます。でも、僕が手に持っているこの対人地雷は火薬をちょっとしか入れていないんです。パーン!と音がするだけで全く安全だから、先生、踏んでみてください。」

アキラ君の言葉を疑った訳では御座いませんでしたし、彼を信じておりましたが、それでも恐ろしくて、「踏んでみる事」さえ小心者の私には出来ませんでした。

「やっぱり怖いわ。踏んでみせてくれる?」

私がそう申しますと、アキラ君は笑いながら目の前で踏んでくれました。

確かに足が飛ぶ様な事は起きませんでしたが、想像以上の爆音で御座いました。

アキラ君が幼少の頃よりこの音を聞いて育って来たのかと思い、改めて自分は何て幸せに育ったのかしらと思いました。

この爆音を聞かずに済む様に、また、周辺の人々にも聞かせずに済む様に、以前は見つけた地雷から火薬を抜くという丁寧な処理をしていたと記憶しておりますが、彼の様なプロの腕を持つ人以外にも安全に処理出来る様にしなければならないからか、現在は他の地雷処理団体同様に見つけた地雷を爆発させて処理している様です。

諸機関からの指示を受け入れながら、方法を工夫しながら、いつまでも地雷処理の為に自らの体を投げ出して頑張っているアキラ君、どうぞ体を大切にして下さい。

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代表 鬼  一二三
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